以前に書いた「
メモリーカード画像復旧ソフト」の続編です。
先日 Image Rescue 4 を入手するため LexarのProfessionalシリーズのSDHCカードを購入。 最低保証連続読込み速度400倍速(60MB/s) の class10。
Image Rescue 4 はパッケージ版だと$33.99する商品。
これが、 Lexarの "Professional" シリーズを購入するとダウンロードクーポンがついてくるという話。
パッケージを開けると 中にLexarのサイトからダウンロードしたImage Rescue 4のトライアル版を正規版にするためのパスコードが記された紙片が入っていた。
早速ダウンロードを試みるが、どういう理由からか日本語のサイトにはWindows用のリンクしかない。
前からこれは知っていたのでUSサイトにアクセスし、Mac版ダウンロード。
続けて 今回入手したパスコードを入力。登録名称は無記入のままでも問題なかったようだ。
iGeek社の
Data Rescueの技術を使っているとのことだったので、同じメディア(Transcend SDXC 4GB class 4 / データ3.3GB ; カメラ撮影JPEG, RAW とPhotoshopで修整、リネームした画像データ、GraphicConverterで作成した縮小画像等を含む) をData Rescue 3 とImage Rescue 4、そして前回紹介した
RecoveRXで復旧テスト行なってみた。
その結果、Data Rescue 3.2.1 ではスキャンから復旧完了まで14分30秒。
Image Rescue 4 1.0 はサムネイル作成に時間がかかったせいかスキャンして全コマサムネイルプレビュー表示し終えるまでに22分30秒。復旧に9分40秒。更に復旧したデータにサムネイル付ける作業に5分かかってトータルで37分程かかった。
RecoveRX 1.1 はスキャンから復旧完了まで止まることなく一気に処理し 18分20秒。
3つとも含まれるRAWデータ復旧 66ファイルと同じだったが、JPEGに関しては Data Rescue 3 が868、Image Rescue 4 が642、RecoveRX が867 と差があった。
このJPEGファイル数の差というのは、Image Rescue 4 が GraphicConverter で作成した縮小画像を復旧しなかった事による違いだった。(いずれのソフトもカメラ撮影のオリジナルデータだけでなく、Photoshopで修整しバックアップとして保存したデータも問題なく復旧させていた)
なお、Data Rescue 3 が1カット多かったが確認したところ上4分の1しか復元されていない不完全ファイルが1つあったので、カメラ撮影データの復元機能としてはすべて横並びと考えられる。(おそらく撮影現場でカメラ上で消去した画像が 完全に上書きされず断片的に残っていたのかもしれない)
ただ復旧時のファイル名はそれぞれ違っていて、Data Rescue 3 はJPEGの場合は J4288x2848-00633.jpg、RAWの場合は T4352x2868-00066.nef というふうになる。
(JはJPEG, TはTiff? その後の数字は画像のピクセルサイズ)(オリジナルファイル名は _EDT◯◯◯◯.JPG)
Image Rescue 4 は 基本的にはオリジナルファイル名をキープしているようなので、復旧完了後の整理が一番楽そう。(オリジナルファイル名が STD_◯◯◯◯.JPGの場合はそのまま。_EDT◯◯◯◯.JPGの場合は J4288x2848-◯◯◯◯.jpg、DSC_◯◯◯◯.JPGの場合も J4288x2848-◯◯◯◯.jpg)
全ファイル復旧には一番時間がかかったものの、途中で表示されるサムネイルを確認しながら必要なカットのみ復旧ということもできるので用途によっては便利。(上書きされていない領域の画像データはすべて復旧対象になるので、必要としないデータも結構ある)
RecoveRX は TS◯◯◯◯◯.拡張子 で復旧される。
(Data Rescue 3もオリジナルファイル名がSTD_とかの場合はオリジナルと同じファイル名になるのかもしれないが未確認。)
Data Rescue 3、RecoveRX が動画、音楽ファイル等 画像以外のデータを復旧させることができるのに対し、Image Rescue 4 は画像のみ。その分 一覧表示されるサムネイルを見ながら 必要なデータのみ復旧が可能。
Data Rescue 3 は「プレビュー」ボタンを押すことによって確認は可能だが、一覧ではないので面倒くさい。RecoveRX はプレビュー機能なし。
と、それぞれ一長一短。
初心者にとってはImage Rescue 4 が一番安全かもしれない。
というのも 対象とするボリュームがメディアカードだけなので、誤って他の外付けハードディスクにアクセスしてしまうことがない。当然「消去」や「初期化」などの誤操作がハードディスクとかに及ぶことは回避できる。
本来Data Rescueはハードディスクの復旧・修復に使うツールなので、使い方はやや難しい。
と、いろいろ復旧テストを繰り返してきたが、このテストに使ったSDカードやCFカードは 何回もフォーマットを繰り返しているもので、カメラにセットしてもパソコンからアクセスしても「データなし」と表示されるものばかり。
しかし今回のようなツールを使えば、上書きされていない限りデータはいつまでも残っているということが見事実証された。
「見えないように隠されているだけで、実際には残っている」
賢明な方なら察しがつくように、データを他人に渡す必要が生じた場合、全消去したりフォーマットしたメディアだったら何の心配もないと思いがちだが、実はそのメディアにかつて記録された過去のデータが、完全な形ではないにせよ、他人に復元されてしまう危険性があるということを警告。
しかしこの不安は これらのデータ復旧ソフトに備えられた「消去」「初期化」ツールでほぼ「復旧不可能な状態」にすることも可能。
この作業のあとでデータを入れれば、かなり安全度は高まるものと思われます。
PS; 復旧された画像データの作成日・変更日というのは復旧時の日時になるが、Adobe Bridge等を使えば EXIF情報から撮影日時を知ることが可能。
追記;後日ネットから得た情報では、各カメラメーカーによって「フォーマット」が行なう作業が違うということを知りました。論理フォーマットだけの場合と物理フォーマットの場合があり、FAT16と32の違いもあるようです。(
http://ow.ly/1OqCmv)
このフォーマットの仕様により、復旧率は大きく変わるようです。
当方の環境(Nikon Dシリーズ)でのテストレポートですので、あくまでも「参考」程度にお考え下さい。(完全復旧を保証するものではありません)
追記 ; Lexar Image Rescue 4同梱のPDFマニュアルから引用
Q: 正常な写真が入っていたカードをうっかりフォーマットしてしまった。Image Rescue 4 はその写真を復旧できるか?
A: それは、カメラがカードをフォーマットするときに何をするかによります。
カメラの中には、ただカード上に新しいファイルシステムを作成するだけで、カードのストレージの大部分には手をつけない機種があります。
この場合、Image Rescue 4 は少なくとも複数ファイルの一部を復旧することができます。
富士や一部のオリンパス製品を含め、その他のカメラはフォーマット処理の際、カード上のすべての情報を上書きします。
Image Rescue 4 をはじめ、どのようなプログラムでもこのような場合にファイルを復旧することはできないでしょう。
最善の方法は、Image Rescue 4 をダウンロードして、試用モード(無料)で試してみることです。
写真を一枚でも見つけることができれば、Image Rescue 4 はその写真のサムネールを表示します。
見つけることができなければ、サムネールを何も表示しません。