1981年のある晩、ベッドに入ってナイトキャップ代わりのFMをかけながらウトウトしかけた頃、ラジオでかかったのは発売直後のこの曲。
何となく序盤はきれいな音なので「このまま眠れそう...」と思ったのだがとんでもなかった!
徐々に盛り上がり、火花を散らす2本のスパニッシュギター!!
「ハードな演奏はディストーションの効いたエレキギター」と信じて疑わなかった当時Rockerだった私はぶっ飛んだ!
曲が終わった後も目がさえて眠れず、結局朝までギターのフレーズが頭の中を駆け巡っていた。
翌日、大学に行くと真っ先に生協購買部のレコード売り場に行き、このアルバム(当時はまだアナログLP)を購入。
オリジナルバージョンは1976年発表のAl DiMeolaの "ELEGANT GYPSY"の収録曲だったのだが、当時Southern Rockしか聴いていなかった私は知る術も無く、全くの初耳。
ラジオで聴いたバージョンはAl DiMeolaとPaco DeLucia, John McLaughlinの3人によるスーパーギタートリオライブ "FRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO"からのテイク。
原題は "Mediterranean Sundance / Rio Ancho" だが 邦題は「地中海の舞踏/広い河」になっていた。 2本のギターはAl DiMeolaとPaco DeLuciaだったのだ。
その後、Paco DeLuciaのアルバムも何枚か聴いたが、このライブ盤の「地中海の舞踏」が私個人的にはベストの演奏ではないかと思う。
哀愁を帯びたフラメンコ調のスパニッシュギターが徐々に熱気を帯び、互いが激情ともいえる火花を散らす様が目に浮かぶようで、数少ない「戦慄を覚えた」1曲。