ZZ TOPの1976年発表の第5作。
初めて聴いたのは1978年 大学1年の時。前期試験の直前に試験勉強用に購入。
(ヘッドフォンで好きな音楽を聴き 外界の雑音を遮断することで集中できる、という変な癖あり)
ブルースとブギー一辺倒だったZZが 彼らの故郷Texas(スペイン語ではTejas - テハス)のTex-Mex的フィーリングと軽快な変拍子も取り入れた「異色作」。僕自身は一番好きなアルバム。
この頃の全米ツアーはテキサスロングホーン(牛)やガラガラヘビ、コヨーテ等を引き連れた「テキサスショー」だったらしい。
で、数えきれないほど聴きこんだ挙句、1987年頃にデジタル・リマスターされたCD購入。
聴いた第一印象「????!!!」
サウンドが全く違う!
当時はLondonレーベルからWarnerに移籍し、"ELIMINATOR", "AFTERBURNER"のメガヒットを出し新たなファンを獲得していた時期でもあるのだが、どうやら昔のアーシーなマスター音源を無理やりデジタルエフェクトで加工(エコーをかけて ドンシャリにイコライジング 更にエンハンス処理)して"ELIMINATOR"風に仕立て直したようだ。
確かに'80年代を象徴する"ELIMINATOR"と"AFTERBURNER"をきっかけにZZ TOPを聴くようになったファンには'70年代ロンドンレーベルのサウンドは田舎臭かったかもしれない。
しかしあらゆる面で「これぞ '70年代アメリカンロック!」というサウンドから肝心の’70年代の雰囲気をごっそり削ぎ落したWarnerの仕事にはがっかりさせられた。
他の作品(1st〜Fandangoまで)も同じようにデジタルリマスターされているが(その後に購入した6Packで確認済み)音がクリアになって若干エコーが深めかな?という程度でまぁなんとかギリギリ許せる範囲。 Tejasは限界超えた処理ミス。
その後2003年に発売された"Chrome, Smoke & BBQ"ではマスター音源に近いサウンドに処理し直され、一安心したものの、ベスト盤ゆえすべての曲がリマスターされたわけではない。
Tejas収録曲のB面1曲目の"Ten Dollar Man"が大好きなのだが、"Chrome, Smoke & BBQ"にもその後に出た"Rancho Texicano"にも入っていなかった。
"Ten Dollar Man" 聴くたびにあの変に処理されたドタバタドラムが嫌で・・・(LP音源では軽快なスネアロール)
ついに本日 思い切って久しぶりにLP音源をCD化!
使用機材は前回のSteve Cropperの時とほぼ同じ。
Mac本体がMacBookProになった点と 使用ソフトがSound it 5.0にバージョンアップした程度。
今回は元の音が最高にお気に入りだったので 一切イコライザー等いじらず。
レコードプレイヤーのピックアップから出てきた音をそのままCD化。
やっぱり '70年代の音はいいね!
(補足 ラストナンバー "Asleep In The Desert" の02:28〜02:50の間にCDではLPにはなかったギターフレーズが入っている。ちょっとエキゾチックで「いい」と思えるのだが、なぜLP発表時にカットされたのか不思議。 "Chrome, Smoke & BBQ"でも入っていなかったのでもしかして「オーバーダブ」?)