土曜日, 2月 21, 2009

不況と戦争

巷では「100年に一度の不況」と言われています。

かなり深刻な状況で、僕もそれはひしひし感じています。

でも 今から65年近く前の1941〜1945年は日本は太平洋戦争の真っ只中で、特にミッドウェー海戦(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E6%B5%B7%E6%88%A6)以降 日本の戦局は一転し、その後サイパンが陥落するに至り日本本土は連日アメリカ軍の空襲にさらされる事となる。
各戦地でも「神風特攻隊」「桜花」「回天」等の特別(自爆)攻撃と 玉砕が相次ぐ。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%94%BB%E6%92%83%E9%9A%8A)

このような体験をなさった方は、今の日本ではもうわずかになっていると思う。
その戦時の状況から想像すれば、今の「不況」はまだ救いがあるかも。

突然のリストラは非常に辛いものの、空襲(焼夷弾)で一瞬にして家を焼かれたり(当然火災保険なんてものはない。原爆なんて最悪!)、赤紙(召集 令状)1枚で軍に招集され 家族の知らぬ間に最前線に送り出され「戦死」の紙1枚で遺骨さえ遺族の元には還らず・・・なんて「異常といえば異常」な事態を考えると、今は100年に1 度の「大不況」かもしれないけれども「生命の危機」はまだ辛うじて守られていると思う。

ただ、戦争の歴史を振り返った場合、多くは国家間の経済的搾取が原因で起こっている。
「戦争」という行為はあくまでも「政治的な武力行使」であって、テロリストとの局地的な「戦闘」とはまた意味合いが違う。

かつては圧倒的に優位な強大国が 経済後発国の豊富な資源を目当てに「植民地政策」として行なってきた「政治的軍事行動」とは異なり、このような世界的な不況・恐慌下では、第二次世界大戦 勃発の引き金となったアドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツ軍の「ポーランド侵攻(1939)」や、日本が欧米諸国との交戦に踏み切る原因となった 「ABCD包囲陣(アメリカ・イギリス・中国・オランダによる経済封鎖)」の打破等、諸国から経済制裁で追いつめられた国が「窮鼠 猫を噛む」的に常軌を逸して軍事行動に出る事も充分に懸念される。

よって、世界の政治家達には かつての過ちを繰り返さないように慎重に対策を練って欲しいと願わずにいられない。

「経済」という枠だけで考えれば、一番儲かるのは「軍需産業」で、しかも戦争が始まれば武器も弾薬も消耗され、生産がフル稼働するわけで・・・。

日本の戦後の経済復興が「朝鮮戦争」のアメリカ軍への軍事物資供給で潤った事は紛れもない事実。

しかし、このような安易な道を選べば、ある特定の国は「富」を得るだろうが、その反面 その何倍もの国がそして何十万人もの人々が「貧」を通り越して「無」あるいは「死」に至る事になる。

何としてもそういう事だけは避けて欲しいと願わずにはいられない。

「経済崩壊」の元々の原因の多くが「私利私欲の追求」に端を発していると思う。そして当事者である彼らの頭には「共存」という意識はなかったものと推測される。(資本主義の悪い面ですね)
よく耳にする「経営的戦略」「相手のシェアを奪う」「市場を押さえた」云々(大っ嫌いな言葉)・・・これって「マネーゲーム」どころじゃなく「経済戦争」だよね?


生活が苦しくても「戦時中」の事を想像したり、あるいは阪神間在住の人ならあの「阪神大震災」の後の事を思い出すと少しは勇気が湧くのでは?


大学で「なぜ人間は戦争をするのか」などと大仰なタイトルの卒業論文を書いた僕が その後20数年何の勉強もせずに当時の知識・情報だけをもとに思いつくままに書いてしまいました。
(論文での結論は「いまだ謎・・・」。こんな卒論を通して下さったR先生ありがとうございました!)

賛否両論 色々あるでしょうが、僕個人の意見(というか感想)という事で・・・。


最後に「100年に1度の大不況」と言う事はあの「世界的大恐慌」を上回るという事?
語彙の「不況」と「恐慌」の詳しい違いは分からないけど、だからこそ、各国首脳には知恵を出し合って この不況が決して「戦争への道」とはならないよう頑張ってもらいたいです。本当に。